Il_dialio’s diary

ニッキノニッキ

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ネガティブ退散お散歩日和(20210821)

最近日記を更新していなかったのは一日を振り返ろうとするとどうしてもネガティブな思いしかしてこなかったからだ.あるはずの予定に上から斜線を引いていく毎日.それを思い起こすのも嫌だし一応ここは読者が存在する日記である.(最近はじめてこのブログに読者ができた.本当にありがとうございます.)わざわざアクセスしてくれる人になんだが愚痴っぽいものを見せてしまうのも申し訳ないし,ネットに投稿して解決しない悩みは可能なことなら投下したくない.人間の悩みは個人的なものが多いので周囲のプライバシーを気づかぬうちに侵害するかもしれないし,このご時世に抱えている大学生の悩みなんてみんな並び一辺倒である.気になるならツイッターで「大学生 日常」で検索をかけるといい.そんな具合で日記を更新しようと500~1000文字程度書いたあたりで見返して,自分の書いた文章に纏わりつく負のオーラにぎょっとして一旦書いた文章を消して,再度何か書こうと思っても疲れてしまったしいいかとそのまま寝てしまうといった日々であった.

ただそんな感情も少しはマシになってきた.一旦図書館に本を返すのとサークルがある(といっても緊急事態宣言が発令されてしまって再び怪しくなってしまったが)ので京都に帰って来た.もう八月も末となり流石に日中は暑いと言っても気温が引いてきたので,散歩をする機会が増えた.その際に参考になっているのが「日めくり京都365」である.

 これはテストが終わったあといつものように本屋に向かって目に入った書物である.出版されたのは先月の7/30のことだったらしい.一日一日に京都の四季の行事や風景,グルメ&スイーツ,アイテムを紹介した本である.せっかく京都の大学に来たのだから京都をミーハーな部分に留まらず堪能してみたいと思っていた自分にはピッタリであった.京都は広いのですべてのスポットをめぐるのは難しいが洛中に限定すれば自転車さえあればすぐにどこでも行けてしまう.ただ京都市は自転車乗りに対して厳しい.まず駐車できる場所が少ない,四畳半神話大系の自転車にこやか整理軍は本当にいる.さらに四条通り周辺は日中は自転車の通行すらできない場所がある.となると基本的に徒歩でお散歩に行くことになる.鴨川に沿って南北をわたり目的地を探していく.昔からインドアな人間で外にでることはかなり稀だったので,せっかく外に出たのだからとついつい色々なものを買ってしまう.もう持っているのにと言いながら新しいコップやお皿を買ったりそう言えば机の上に直接皿を置くのもなんだかなと思ってランチョンマットを買ったり,先日はどこの民族のものかわからない笛を買って鴨川で遊んでいた.私がインドアなのは外に出るのが億劫というより外に出るまでの事前準備が億劫だからだ.京都という観光地は実家から電車に乗れば二時間ちょっとで行けるのだがなかなか行かなかったのはやっぱり観光地に赴くための準備が必要だったからだ.しかし,今では京都は近所なのだ.パジャマにサンダルで夜中にコンビニに行けるようになってから一気にそういった敷居が下がったような気がした.ほとんど部屋着のような格好で,おめかしも一切せずになんの計画もなしに夕方から家をでる.こんな時間に家を出てしまっては外食店は早めに行かないといけないなあと気づくのは帰路についてから.そんなゆるい心構えで京都を散歩していくと,世間の窮屈さを忘れられるような気がする.

来週の日めくり京都を確認していると広河原の松上げがあった.火除や五穀豊穣,精霊送りの行事として存在する火の神事である.火の神事なだけあって写真は夜に火の放物線が良く映えている.これを見に行こうと思ったら今年も時世が原因で中止らしい.思えば五山の送り火も去年同様規模が縮小されて,もはや眼鏡を外してぼやけさせないと「大」の字に見えない風であった.一昨年あたりに亡くなったご先祖様はなんだが自分たちはあまり歓迎されていないのではないかとしょげてしまうんじゃないだろうかとも思う.(むしろこんな世の中だからそっちはこれからもっと賑わうぞと言ってしまうのは不謹慎だろうか.)散歩は独りよがりなものだ.誰にも邪魔されない.もしなんだが周りが窮屈で疲れてしまった人は,なんにも着飾らないで散歩してみることを進める.安心して,誰もあなたを見やしない.