Il_dialio’s diary

ニッキノニッキ

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子孫と新キャラ(20210903)

子孫と新キャラ

「ただしい人類滅亡計画」を読みました.

軽い感想はここに書いているので深くは書かない.このレビューも微ネタバレ注意.

それで,この本を読んでいるときに思い出した,子孫を残す理由で好きな説があるんですよ.それが「自分の人生というストーリーに新キャラを追加するため」っての.ソシャゲのガチャ追加と同じ発想で子孫を産み落とす激ヤバ思想.でも気持ちはわかるなあと思う.特に田舎だったら人間関係の変化が少ないから新キャラの供給は多いほうは嬉しいのか,都会なら子孫を残すよりも面白い娯楽があるのかなと思ったり.自分は普通に違う人間とDNAをはんぶんこした人間が生まれるの面白すぎるなと思うので子孫を残したいしできるだけ自分と遠い人間と子孫を残したいけどそんな人間とは結婚しないので似たような人間が生まれるかも.

note.com

著者の人がnoteで日記を毎日書いていることの記事も出してた.自分も毎日(理想)日記を書いてる身としては共感できることが結構多い.noteかはてなかで悩んだけどnoteの運営にいい印象がなかったのと,邪な気持ちだけどグーグルアドセンスとかアマゾンアフィリエイトとかの情報が多いのではてなにした.でも一端の大学生が適当に書いたブログに金稼ぎできるほどのアクセス数も無いしnoteのほうが雰囲気が向いてる気がする.というのも,

blog.hatenablog.com

note.com

この2つを見比べるとなんとなくわかるかも.作品の感想の記事とか日記はnoteで,真面目な(特にプログラミング系)ははてななのかな?反応がもらえるかどうかってのも結構大事で,はてなのいいねとnoteのいいねだと押すために必要なエネルギーが違う気もする.あとはてなはアプリでの執筆がやりづらすぎる.じゃあ手の込んだ記事ははてなで日記はnoteがいいのかも?と思ったり.10月あたりにnoteで日記を作ってはてなの別ブログも作ろうかな,このブログも捨て垢みたいな名前だし.

この時代にプレーヤー(20210902)

この時代にレコーダー

「仕事と人生に効く教養としての映画」を読んでいる.

今のところ第3講まで読んでいて,第1講は「映画を見たらどんないいことがあるか」という題で,人生がニ時間に凝縮されているだとかYouTubeやテレビドラマと違って映画館で上映されることが前提であるので途中離席を想定していないとか,粋な人間になれるだとか知識が身につくとか,色々思いつく限りの映画を見るよさについて書いていた.中でも気になったのは異文化に触れることができるという主張.確かに海外の映画を見れば映画を通してその国の文化や国民性がわかるのはわかる,けどその後にオススメしている映画が古すぎるような気もする.レジェンド的な映画を見ればその国の多くの人と会話の材料にできるのはわかるけど,ドイツ映画のオススメに嘆きの天使(1930)はもはやあっちの国でも古典じゃないかと思う.でも古いからと言って作品の価値が落ちるというわけではない.後に第3講の「日本の古典映画はなぜ世界で評価されているのか」でも触れられているが,時の洗礼に耐えた作品はハズレが少ないし,自分に合わなかったとしても何らかの学びや気付きは得られるかもしれない.問題点は作品の再生メディアによる洗礼が待ち受けていることである.この本を読んで良さそうだなと思った作品はメモしてfilmarksでどのサイトで配信されているのか確認する.私はNetflixAmazon Primeに加入しているのでそのサイトで配信されていたらラッキー,Primeでレンタルなら一応値段と相談って感じ.で,そのレジェンド作品が結構ネット配信の形をとっていない.先程あげた「嘆きの天使」や「第七の封印」とか.じゃあその作品はどうやったら見られるのか,amazonで検索したら,

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どうやら参考価格からお得になっているらしいのはわかったけど,まさか令和の時代にVHSの文字を見るとは思わなかった.DVDも今はまだまだ現役でやってるけど,この先DVDが完全にブルーレイにとって変わる瞬間が来たら,この作品はどうなってしまうのだろう.映像作品は本と違って再生媒体が無いと死んでしまうが果たして.

そして今手持ちのラップトップにはDVDやCDを入れる場所が無いので,DVDを見ようと思うとDVDプレーヤーを買わないと行けない(モニターは持っている).けど最近下宿の近くのTSUTAYAも実家付近のTSUTAYAも潰れてしまった.TSUTAYAが不調なのかレンタルビデオ屋が不調なのかわからないけど,どっちにしろfire stickのおかげでモニターで作品を見るのは事足りている.けど,良作が配信のラインナップに並んでいないというだけで切り捨てられるのはちょっとなんだかなあという気分もある.

 

よかったもの

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和田アキ子フレデリックの親和性というか,曲調としてはオドループとかオワラセナイトとかみたいな感じなんだけど,これがR&B様の力強い声と合わさった時の化学反応を見た気がする.こういう曲は線の細そうな声(決して弱々しいというニュアンスではない)が合致するイメージがあったので.

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ちなみに和田アキ子は「あの鐘を鳴らすのはあなた」の印象が強すぎるけど,「R&Bの女王」なんて言われただけあって,力強い歌声はしっとりよりもこっちのほうが合う.最近ブルーノートでの動画も上がってたけど流石に声が老けてた.コメント欄で「歌手活動に専念してほしかった」って言ってる人がいて,確かに昔の声聞くと可能性感じるよなーとは思ったり.

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ゲスの極み乙女indigo la end,ジェニーハイと何足のわらじを履いて何故か死なないツイ廃ミュージシャン川谷絵音

ちゃんと確認したらこんなにたくさんのことをやってた.32にしてすでにそろそろ死にそう感がパない.

ジェニーハイとしては初のアニメPVらしく,クセの強すぎるメンバーたちがアニメーションキャラクターとしてこう解釈されるんだってのが面白かった.音楽性というか人間性が違いすぎて解散しそうだけどここまで個性的だともはや他人に干渉しそうにないか.というか久々に見たな新垣(ニイガキ)さん.佐村河内の一件で一気に注目された現代音楽家の印象だったのが気づいたらバンドのメンバーになってて驚いた印象.2014年のニュースは今見返すと話題に事欠かなくてにっこりしちゃう.今のテレビニュースなんかどの時間つけても同じ話しかしてないのでエンタメ性に溢れた事件が多いのが今思えばちょっとうらやましい.

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youtu.be

今日は以外なコラボを知るのが多い気がする.これはジャニーズとボカロPとのコラボたち.特にフィギュアの方が結構いい,すき.

OSTER×沖井礼二,ただの俺得でいいな……てかこれの打ち込みがdominoなのすごすぎ.OSTERさんはマジでdominoの魔術師.あとAIきりたんの声この曲で聞くとさとうささらを思い出した.

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よかったものというか期待してるもの.薄明の翼がよかったのでこっちも期待.すべての地方に焦点をあてるということはダイパリメイクの前なのもあってシンオウ回に一番期待.

こぎみゅんのYouTubeチャンネルを初めて知ったけどこんなに歌ってみたを出してたことにびっくり,見たこと無い圧縮リンクで二度びっくり,歌ってもクオリティの落ちないキャラボイスに三度びっくり.10年くらい前こぎみゅんの存在がほとんど知らない頃に親がグッズを買っててハローキティのパチもんだと思ってたことを懺悔します.

こんな最高アイディアを4ページで消費するな

comic-days.com

これも最高.展開がめっちゃ綺麗なので是非他の作品がみたい.日常にちょっと混じったSFを通してなんでもないかけがえのないものを再認識するのめっちゃ好きです何かアレば是非教えて.

comic-days.com

さっきの作品と同じくモーニング月例賞2021年6月期佳作.毛色はまったく違うんだけどこっちも面白い.どっちの作品もテーマは結構難しいというかめちゃくちゃなのにそれを感じさせない読みやすさがgoodだと思う.

キリのよくない(20210901)

キリのよくない

京都の市バスに乗っているといつも思う.こんなにキリの悪い乗り物はないと.京都の市バスは乗車賃が230円,しかもお釣りが出てこないので事前に両替する必要がある.大学に入学したての頃に500円玉を投入してお釣りが返ってこないので運転手さんに「お釣りが返ってこないんですけど」というと「諦めてください」とぶっきらぼうに返されたのを今でも覚えている.元々200円だったのが色々あって値上げされたのだろうが,結果的に市民に不便を強いてしまっている.こんなんだから財政破綻しそうなんだろうなとも思う.電子決済を使っているとそもそも小銭自体がなんともキリのよくないものだと思ってしまう.他にも素数の個数入っているパン.ひとり暮らしすると気にならないけど,家庭になんとも優しくない.麻雀の点数,計算式を知ってからは馴染んだがなんだ3900って.この記事も終着点が見えない.絶望先生みたいな切り出し方は今日もバスに乗っている最中に思いついた.突拍子に書いた.なんで,9月に始めると「キリがいい」と思ったから.

今日から9月に突入したことで「夏が終わった」だの言っている人も見かけるがまだまだ暑い.気温のキリは全く良くない.ただ小中高の夏休みが大抵9月になると終わりを迎えるから「夏が終わった」と表現されるだけ,みんな学生時代の幻影たる夏に引っ張られ過ぎな気もする.じゃあ大学生はというと私の大学では10月になると後期が開始する.10月は比較的キリがいいと思う.残り1/4なので.月日が過ぎるのが早く感じるのは歳のせいかはたまた世の中がなんだか退屈だからなのか.じゃあそれは何に対して退屈なのか?過去の夏に比べて?それとも今までの20代前半の先人の人生を見て?キリのいい,丁度いい,拵えられた生活なんてないものだなと最近思う.今もこうやって24時というキリのいい時間に寝ずに日記を書いてる.未練を断ち切らない限りはキリのいい生活は出来ないという自戒から9月が始まった.

よかったもの

もともとはコレを書くために日記を始めたのに最近書いてなかった.digを止めるな.

ポケモンが生活に溶け込んでいるマンガは好きだけどこの作品はちょっと儚さもミステリさもあってよかった.こういうのはゴーストタイプの役回りが多いけどパラスの設定の怖さが引き立つ.言葉を選ぶのが難しいけどすごく生のエネルギーを感じる.

rookie.shonenjump.com

これはマジの生のエネルギーを感じる作品.絵はお世辞にも綺麗じゃないしストーリーも荒削りだけどエネルギーが凄まじい.一度読んでほしい.

 

あとはシャニマスのノクチルのイベコミュも読んだんだけど,このコーナーで書いてもいいのかわからない.というのも,普段ここで紹介するものは音楽か基本無料で読める作品が多かった.ネタバレを踏ませてしまうのが少し怖いから.音楽に関してはネタバレって言葉があてはまる曲は少ないけど作品に関しては警告のないネタバレは作者にも読者にも不幸な話だ.じゃあ別に記事をかけばいいのかも知れないけどそこまでしっかり書く体力もあるかというとちょっと微妙ってときどうしようっていつも思う.discordのスポイラ機能がほしい.というかLINEにもTwitterにもdiscordのすべての機能がほしい.全然いいねじゃないツイートにいいねが押しづらいならスタンプがあるじゃろう.

私ってもしかして……?(20210826)

<注>精神疾患に関する記述があります.

 

またやってしまった.下宿と実家を行き来する際に必ずやってしまうこと.忘れ物だ.今回は筆箱だ.iPadやPCがあるので作業はできるのだがペンがないとできないことも多いので少々困る.これまでもデバイスの充電器,ラップトップそのもの,教科書,イヤホンなど色々忘れてしまった.どれだけ確認しても必ず何か忘れてしまう.遠足や修学旅行で使うチェックシートを作ろうか悩む.

忘れ物が多いということは無くしものも多い.今までに闇に消えていった消しゴムなどの文具の数は数知れず,些細なものだけではなく割と重要なものも無くしてしまう.小学生のときに習字道具を無くしてしまった時は親に呆れられてしまった.自分も呆れてしまった.あんな大きいものを無くすかと.最近で一番重要な無くしものはワクチンの接種証明書だ.病院に関わることもあるので6月の頭には二回接種を済ませていたのだが,二回目に接種したときに貼られるシールがない.接種したときに受付の人に「このシールを渡すので家に帰ったら貼っておいてくださいね」と言われたのだが,証明書と一緒にファイルにしまったはずのシールがない.こういう場合はどうすればよかったのだろうか.多分迅速な対応が全てなんだろうがシールを貼るのを後回しにしていたので気づいたのはつい最近の話である.この先接種証明書が必要になった際に二回摂取したのにしていないことになると面倒だ.三回目の接種をした人というのは私みたいな人もいるのだろう.

そしてついにやってしまったことがある.バンドの練習に楽器を忘れた.正確には楽器のケースに楽器が入っていなかった.スタジオで開けたときには周囲に笑われたが自分としては気が気でない.そのスタジオから家まで片道30分以上あるのだ.結局その日は3時間ほど押さえていたので頭を下げて取りに帰った.本当に申し訳ないことをした.

こういう「本来あるはずのものが身の回りにない」というのは今に始まった話ではない.物心ついたときからそうだ.小学生の低学年の時は必ず学校に何か忘れ物や無くしものをした.無くしものを探してこいとは言われるが,私からしてみれば「無くしもの」というよりは「消え物」である.目の前から完全に消え去ったもの,まるでこの世界から別の場所へと移ってしまったかのように.だからか私はつい最近まで旅行が嫌いであった.林間学校や修学旅行の際に衣服を忘れた頃から親は私に安い服しか買わなくなった.自分もその事実を重々承知しているので旅の際は電車に乗っているときでさえずっとそのことばかり考えている.最近克服できたのは日帰りの旅行である.このご時世で遠出や宿泊が少し厳しくなったのと,京都に住んでいるので少し散歩をすれば有名な寺社仏閣をめぐることができる.多分まだ宿泊を伴う旅行は厳しい.

「忘れ物が多い」や「無くしものが多い」で調べると決まってネットではADHDの4文字がある.精神疾患の自己診断ほど当てにならないものはない.実際ADHDを名乗っている人のどれだけが診断を下されていないか,恐らく半分以上はそうではないか.臨床検査もないので自分のことについては過剰に考えがちだ.ただ,ADHDの特徴を見ると少し背筋が冷える.自分の人生の伏線回収をされているような気がするのだ.不注意,多動性,衝動性……これらはむしろ人間なら全員がそうであると思っていた.みんな集中力を保たせるのは難しいだろうし,課題は先延ばしにしたいだろうし,絶えず動き回っていたいだろうし,後のことを考えずに突発的に行動したくなるものだと思っていた.どうもそうではないらしい.

youtu.be

この映像とかまず最初の時点で「俺の部屋?」ってなった.他にも共感できる行動はあるが,勘違いしないでほしいのは,悪気があってこういう行動をしているわけではないのだが後悔はしている.自分の行動に後悔はあるのになぜかその反省を活かせない.そういうスパイラルによって自己肯定感がゴリゴリ勝手に削られてしまうのだ.

小さい頃から悩んでいたかというとそうでもない.「まあいっか」「どうにかなるわ」の精神で生きてきた.運がいいことに学校のお勉強はできた.授業中は一切集中できず,歩きまわっていたわけではないがずっと上の空か好きなゲームの妄想をしていたりしていた.人の話を聞くのは苦手だが自分で手を動かして計算したり,自分で本を読んで要点を掴むのは得意だった.似たような話だと私はマンガは好きだがアニメはそこまで好きではない.マンガを読む行為は自分でコマを読み進めてページをめくる能動的なものだが,アニメを視聴するのは完全に受動的な行為に感じる.音楽は聞くのも演奏するのも好きだがそれは音楽を聞いている間も頭の中で再演奏しているからかも知れない.話を戻すと,それなりに勉強ができたという事実は偏差値や校内順位で数字として返ってくる.一年浪人したので人より多く受験勉強をしたわけだが,浪人の一年間は偏差値を伸ばすという意味では有意義であった.受験勉強以外のことをやる必要はなかった.何でも目移りしがちな性格であり,現役時代は勉強以外にリソースを割きがちだったので逆に一点に集中できる期間がありがたかった.ただ同時に精神に変調をきたして電車に乗れなくなってしまった時期もあるのであの頃のすべてを肯定することはできない.とにかく,大学受験まではペーパーテストの出来で乗り越えられた.それに,入った大学はなんだか自分と似たような性質の人も多かったのでまあなんとかなるかと思っているが,これから先社会に出たときに,この自分の育った性質なのかもともとのマシンの性能なのか,これを矯正あるいは意識する必要は感じている.今でも普通に過ごしていると遅刻するということを強烈に意識しすぎた結果遠くでの現地集合は集合時間の30分以上前についてしまうこともある.(これはこれで強迫性の何かになりそうで怖いが)診断されるメリットとデメリットを足し合わせてまだデメリットの方が勝っていると思うからまだそういう考えには至らない.もしそうだとしても活用方法は服薬と適材適所の割り振り程度に考えたい.被害者ヅラしたり免罪符として使いたくない.あと生命保険にも入りにくくなるらしい.うーん.

ネガティブ退散お散歩日和(20210821)

最近日記を更新していなかったのは一日を振り返ろうとするとどうしてもネガティブな思いしかしてこなかったからだ.あるはずの予定に上から斜線を引いていく毎日.それを思い起こすのも嫌だし一応ここは読者が存在する日記である.(最近はじめてこのブログに読者ができた.本当にありがとうございます.)わざわざアクセスしてくれる人になんだが愚痴っぽいものを見せてしまうのも申し訳ないし,ネットに投稿して解決しない悩みは可能なことなら投下したくない.人間の悩みは個人的なものが多いので周囲のプライバシーを気づかぬうちに侵害するかもしれないし,このご時世に抱えている大学生の悩みなんてみんな並び一辺倒である.気になるならツイッターで「大学生 日常」で検索をかけるといい.そんな具合で日記を更新しようと500~1000文字程度書いたあたりで見返して,自分の書いた文章に纏わりつく負のオーラにぎょっとして一旦書いた文章を消して,再度何か書こうと思っても疲れてしまったしいいかとそのまま寝てしまうといった日々であった.

ただそんな感情も少しはマシになってきた.一旦図書館に本を返すのとサークルがある(といっても緊急事態宣言が発令されてしまって再び怪しくなってしまったが)ので京都に帰って来た.もう八月も末となり流石に日中は暑いと言っても気温が引いてきたので,散歩をする機会が増えた.その際に参考になっているのが「日めくり京都365」である.

 これはテストが終わったあといつものように本屋に向かって目に入った書物である.出版されたのは先月の7/30のことだったらしい.一日一日に京都の四季の行事や風景,グルメ&スイーツ,アイテムを紹介した本である.せっかく京都の大学に来たのだから京都をミーハーな部分に留まらず堪能してみたいと思っていた自分にはピッタリであった.京都は広いのですべてのスポットをめぐるのは難しいが洛中に限定すれば自転車さえあればすぐにどこでも行けてしまう.ただ京都市は自転車乗りに対して厳しい.まず駐車できる場所が少ない,四畳半神話大系の自転車にこやか整理軍は本当にいる.さらに四条通り周辺は日中は自転車の通行すらできない場所がある.となると基本的に徒歩でお散歩に行くことになる.鴨川に沿って南北をわたり目的地を探していく.昔からインドアな人間で外にでることはかなり稀だったので,せっかく外に出たのだからとついつい色々なものを買ってしまう.もう持っているのにと言いながら新しいコップやお皿を買ったりそう言えば机の上に直接皿を置くのもなんだかなと思ってランチョンマットを買ったり,先日はどこの民族のものかわからない笛を買って鴨川で遊んでいた.私がインドアなのは外に出るのが億劫というより外に出るまでの事前準備が億劫だからだ.京都という観光地は実家から電車に乗れば二時間ちょっとで行けるのだがなかなか行かなかったのはやっぱり観光地に赴くための準備が必要だったからだ.しかし,今では京都は近所なのだ.パジャマにサンダルで夜中にコンビニに行けるようになってから一気にそういった敷居が下がったような気がした.ほとんど部屋着のような格好で,おめかしも一切せずになんの計画もなしに夕方から家をでる.こんな時間に家を出てしまっては外食店は早めに行かないといけないなあと気づくのは帰路についてから.そんなゆるい心構えで京都を散歩していくと,世間の窮屈さを忘れられるような気がする.

来週の日めくり京都を確認していると広河原の松上げがあった.火除や五穀豊穣,精霊送りの行事として存在する火の神事である.火の神事なだけあって写真は夜に火の放物線が良く映えている.これを見に行こうと思ったら今年も時世が原因で中止らしい.思えば五山の送り火も去年同様規模が縮小されて,もはや眼鏡を外してぼやけさせないと「大」の字に見えない風であった.一昨年あたりに亡くなったご先祖様はなんだが自分たちはあまり歓迎されていないのではないかとしょげてしまうんじゃないだろうかとも思う.(むしろこんな世の中だからそっちはこれからもっと賑わうぞと言ってしまうのは不謹慎だろうか.)散歩は独りよがりなものだ.誰にも邪魔されない.もしなんだが周りが窮屈で疲れてしまった人は,なんにも着飾らないで散歩してみることを進める.安心して,誰もあなたを見やしない.

インコの村へいってしまいたい「蕗子さん」

江國香織の短編集「すいかの匂い」の「蕗子さん」でインコの村は登場する.

「インコっていったん逃げたら戻ってこないんだって。逃げ出した者同士で、共同体をつくって暮らしてるんだって」

(中略)

「人間にも、そういう場所があるといいのにね」

あったらいいなあそんな場所.このシーンを読んだ最初の感想はそうだ.

発言者は話の題にもなっている蕗子さんという人だ.主人公の母親の営む下宿に住んでいる大学生で留年に留年を重ねて26歳にもなる.最終的に蕗子さんは三ヶ月の家賃を滞納して消えてしまった.主人公はこれを回想して「蕗子さんはインコの村で暮しているのだと思ったりする」として物語が〆られる.

 

蕗子さんはいじめられて落とし穴に落とされた主人公を見て仕返しに一緒に落とし穴を作ろうと提案する.相手は子供なのに二メートル近くの穴を作ろうとする.最初は主人公はこの計画に不安と快感の両方を持ち合わせていたがだんだん復讐など気が重いと感じて憂鬱な感情になっていく.妄想の中で落とし穴にはめるだけで十分であったと.落とし穴が完成された直後のことである.蕗子さんが失踪したのは.

蕗子さんがインコの村のエピソードを語ったのは落とし穴を作ろうとする直前のことであった.あまりに突飛な展開に主人公も「ずいぶん急に話が飛ぶな」と感じていた.そして落とし穴の計画を提案した蕗子さんは目を輝かせていた.蕗子さんはこの時なぜ目を輝かせていたのだろう.その理由にインコの村の哲学が見える気がする.逃げ出した者でも新たな環境を形成することが可能である.だからそんないじめっ子からは逃げ出してしまえという考えだと思っていたが,それならばなぜいじめっ子に復讐する必要があったのだろうか.蕗子さんも主人公も友達がいないようであった.いわば共同体にいない者である.対していじめっ子たちは共同体を形成する側として書かれてある.まるで逃げ出した者の集まりと言わんばかりに.インコという動物の習性には詳しくないが,この対比を見ると最後の「蕗子さんはインコの村で暮しているのだと思ったりする」というのが自然で飾らない共同体にいるようには見えないし,主人公が蕗子さんに肯定的な感情を抱いているのかも怪しく感じてしまう.

 

江國香織という作家は最近まで知らなかった.

 このツイートがきっかけで,そろそろ夏だし読んでみるかと思って手を出した.短編は十一からなり,すべてが少女の一人称視点から語られる夏の思い出話である.つまりは過去の回想で,夏という季節も相まって曖昧な雰囲気が漂っている.今日友達がカフェで江國香織の「神様のボート」を読んでいるのをSNS上で見て一番最初に思い出したのがこの蕗子さんのインコの村のエピソードである.

すいかの匂いは他には焼却炉の話が好きだ.晩夏のこの時期にちょうどいい.午後~夕方がおすすめ.

下鴨古本市とサボっていた日記(20210811)

下鴨納涼古本まつりとか

ja.kyoto.travel

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行ってきたよ古本市!糺の森はみたらし祭り以来.みたらし祭りは足に水をつけて納涼になってたから納涼要素あったけどこっちに納涼要素は木陰しかない.特に今日はちょっと曇ってて湿度が高かったので配布されている団扇がなかったら危なかった……驚いたのが支払い方法.露天的な古本市でもうクレカやPayPayに対応していてて,直前におろした現金が無駄になるところだった.でも結局自分が買った店は現金しか対応していなかったのでヨシ!

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買った本はこんな感じ.一番気になったのはブラスの快楽.すでに絶版になっているけど,目次で惹かれて買っちゃった.

プロローグ ブラスという快楽
第1章 ブラスは世界を巡る―音楽には国境がある!
第2章 国家主義と軍隊:統制のエクスタシー―トルコの軍楽から吹奏楽
第3章 管の中を吹き抜けてゆく風―管楽器の構造と吹奏楽/現代音楽
第4章 喇叭は民衆とともに―中央ヨーロッパ、メキシコ、アジアのフォーク・ブラス
第5章 左翼はブラスがお好き?―イギリス、フランス、イタリアの伝統と現在
第6章 ブラスバンドリバイバルセカンドラインニューオリンズのガンボ・ブラス
第7章 脳髄にはペット、子宮にはサックス―ブルース、ビッグ・バンド、モダン・ジャズ、ソウル
第8章 ブラス・オン・ザ・ロック英米のロックが活用したブラス
第9章 ソーシャルでモンドなお洒落ブラス―ムード・ミュージック、サウンドトラック、ダンス・ミュージック
第10章 享楽主義者たちのラティーノ・グルーヴは下半身に効く―中南米カリブ海のブラス:キューバ、ジャマイカ、ブラジル
第11章 マザー・アフリカに響き渡る管楽器の躍動―アフロ・ポップ、アフロ・ビート、アフリカン・ジャズ
第12章 離散者(ディアスポラ)のたわ言/饗雑の快楽―ジューイッシュ・ミュージックとジプシー・ブラス
第13章 辺境に響くブラス―ヨーロッパのエッジからアラブ、中央アジア
第14章 異形モード~解体から粒子への響きへ―現代音楽、フリージャズ、エレクトロニカ、音響系
第15章 ニューヨーク・セレネード・イン・ブラス―マンハッタンを揺らすブラスの系譜
第16章 極東のブラス大国、JAPAN―吹奏楽からジャズ、ラテン、スカまで
第17章 脳内ダンス=コンポジット・ビートが示すブラスの未来像

www.ongakunotomo.co.jp

音楽嗜好症も面白そうだなと思って購入.最近は音楽が脳に及ぼす影響に興味アリ.音楽は実際に臨床で効果を大きく上げるようなそんな高尚なものでもないだろうけどそれはそれとして適当な周波数をリズムに載せて組み合わせたものがなぜどの民族にも共通して興奮させるのかは気になる.

文明崩壊はもともと買う予定だったけど二冊で1000円なら安いなと思って購入. 銃・病原菌・鉄が面白かったので楽しみ.

高木解析と脳と心の迷路はそこの本屋が「学術書は古本の値段の更に半額」という破格のセールをやっていたので購入.二冊合わせても1000円行かなかったはず.

帰りに華祥の卵白あんかけチャーハンを食べようと思ったらまさかの水曜定休だったので百万遍の六花で牛腩肉飯とロン麺を食べた.

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ロン麺は汁が多めの冷麺みたいな感じで,牛腩肉飯は魯肉飯と同様に八角の甘みが合って美味しかった.

実家に帰るついでに梅田のルクアでやっていたカービィショップにもよってみた.

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このタイプのカービィなかなかみない.昔のデブチュウみたいな愛おしさがある.

悪人コンビが普通にふわふわでおっきなぬいぐるみになってた.それでいいのか……?

日記の更新を超サボっていた

一週間以上日記の更新をサボっていた.なぜか,夏バテである.私は暑いのが苦手で外に出ない(というか最高気温35℃以上が苦手じゃない人類いるの?)し,家にこもっていてもクーラーの効きが悪くてうなだれるのみである.特に私はグラウンドや体育館であった全校集会で立ちくらみを起こして倒れて保健室に搬送されるような子だったのでこの時期はなるべく動きたくない.ただそれではあまりに時間の使い方が無為だと思って日曜に下宿の隣の駅までお散歩をして本屋やカフェを巡ったりしてみた.すると次の日の朝に起きても頭が痛くて二度寝,12時ころに目が覚めたので昼飯を軽く作って,お腹いっぱいになって少し横になったら起きたら18時.体力が無いのも問題だが回復スピードが遅いのも問題であろう.だれか夏バテ回復にいいものを教えてくれ,もしくは夏を消滅させるか,あるいは夏の無いところに住むか.そう言えば前大学の友達に合ったときに,「一日に3つなにか物事を実践すれば一ヶ月で大体100個実践したことになる」って話を思い出した.3つ,普段の生活を除くと以外と難しい.日記を書いているとある意味ネタ探しで義務的に新しいことをやってみようと思うのがいいしサボっていた間はな~んにもなかったなあとも.(あとこの日記では友達と遊んだ的なのは友達のプライバシーに配慮してできるだけ伏せていたりするので逆にリアルが充実しているなんてことも,ということは古本市もカービィショップもぼっち)

同じような話だと,昔は手帳に予定とか書き込んでいたけど最近はめっきり書かなくなってしまった.面倒になったというより,書き込んでいた予定がまん防や緊急事態宣言で二重線を重ねる瞬間があまりにも苦痛すぎたからである.なんだか関西圏にまた緊急事態宣言が出るらしいというのも聞いた.勘弁してほしい.

よかったもの

www.sonymusic.co.jp

マジで良すぎて昨日の深夜に延々聞いてた.アルバムの構成も作品ひとつひとつのクオリティも高い.これは詳しくはまたもっと書きたい.

manga-5.com

なんでまだ単行本化していないんですかランキング堂々の一位であるところの大丈夫倶楽部,読みな!